師匠にテストをお願いしていたロッドが帰ってきました。
ミドルが弱いとのことで、テーパーを同じにしても何故アクション(強さ)が違ってしまうのか。それは、オービスのインプリとそうでない竹の違いと考えて良いだろう、師匠の言葉に納得しました。
これまで私は、インプリはメンテナンスフリー(防水)のためと思っていましたがそれはあくまでも副産物で、本当の目的は、密度の高い竹を安く安定して得られる方法ではないかということです。
そういえば数年前、カンナの刃がすぐにダメになる竹がありました。実はそんな硬い竹を使って大きなニジマス用の柔らかいロッドを作ると、腰があって魚が楽に早く寄ってくるロッドになるそうです。しかし、そのような硬い竹は数が非常に少ないし、手に入れたとしても完成したロッドが非常に高価になってしまいます。そこで、竹の繊維に樹脂を含浸させ焼き入れることで、普通クラスの竹を特上竹に変身させ安くて良いロッドを作る、ジョーダンはそう考えたに違いありません。
ところで、今回のテーパーはストレートより中央の凹んだ逆への字型。振ると柔らかく感じるけれど、魚を掛けると腰があって強い、とここまで書いて皆さん、何か思い当たりませんか。
そう、ストレートテーパーの4角ロッドと性質が似ている、と思ったのです。
初めて4角を何時ものセミパラで作った時、強いなと感じて、エドワーズのテーパーがなぜ凹んでいるのかだいたい想像がつきました。パラボリックテーパーで4角は強すぎるんです。しかし、今回は4角ではなくインプリの話題です。ところが、この二つ、共通点があるんです。
どういうことかというと、4角の1片は90度側が内側を向いた二等辺三角形ですね。これ削ってみると分かりますが、60度なんかに比べてペラペラ、薄いんです。表皮に違い部分を多く使っている、つまり4角は竹繊維の密度が高い、これはインプリの目的と同じですね。
4角が強いのは形状だけでなく、密度にもあるかもしれないということです。
さて、そう考えてくると、竹繊維の密度を高める工夫として、インプリだけでなく、ダブルあるいはトリプルビルド、スチールセンター、また、例えばホローの空間部分にガラスやグラファイト繊維を挿入して樹脂で固める、スチールセンターをカーボンで、等色々考え付きます。
とりあえず設備のいらないダブルビルドあたりからやってみたら少しは分かるかもしれません。
来春、箒川にテストロッドを持参して、大物とやり取りできるよう頑張ります。