とあるロッドのブランクです。良く見るとトンキンのファイバーが蛇行しているのが分かります。一昔前ですと、マシンカットで大雑把に作った証しという見方でした。しかし、熱を加えずに曲がっている竹をそのまま真っ直ぐに切って(割くのではなく)削るのは、竹の繊維を傷めることなく耐久性を損なわない、なるほど説得力があります。
また、このブランクの色はオーブンによる焼き入れによるのではなく、アンモニアガス染色という手法なのだそうです。竹を高温にするのを避け、尚且つ濃い色のブランクにするには良い方法なのでしょうね。
今のところ私個人としては、低番手ロッドでティップ先端から30センチ程度までは加熱し過ぎない方が良いと思いますが、それ以外は軽くて張りのあるロッド(特にホロービルド)には適度な加熱が良いと考えます。また、ノードレスのマルチピースロッドで色の薄いブランクは加熱が少ない(非加熱も可能)ので、加熱や節の処理に疑問をお持ちの方は一考の余地があると思います。