2014年2月16日日曜日

フラットペンタ

私はロッドをひとつの振動体だと考えています。ピアノの弦の条件として真円で均一でなければならないとあるのですが、ピアノの場合は出来るだけ長く振動を継続させるのが目的です。弦に錆びや付着物、捻れがありますと「ボン」と鳴るだけで余韻が全くなくなったりします。

これとは逆にフライロッドの場合は最初の1振動だけが必要で、後に続く余計な振動はない方が良いのです。先人たちは色々な方法で余分な振動を押さえようとしました。フェルールの位置(ワンアンドハーフ、スリーピース)、テーパーの不均一化(コンパウンドテーパー)、断面形状(4角、5角)、ブランクを捻るスパイラルロッドなどなど。

私は4角ロッドを作って、振動が殆ど残らないことに気づきました。ラインがきれいに伸びるのです。これは真円から遠くなったからではないか、こう考え始めるとひとつの欲求が湧き上がってきました。扁平ロッド、しかも5角で、いまのところ世界で一人やっている方がいらっしゃいます。スケートでいえば4回転(スポーツ選手の努力はロッド製作なんかとは比較になりませんよね)の難易度かもしれませんがやってみる価値はありそうです。