2012年5月7日月曜日

火入れと乾燥と螺旋と


荒削りを終えて火入れを待つ竹片。火入れ済みと比べると僅かに青っぽいですね。

下の画像はショートロッド塗装の乾燥中です。

さて、よく質問を受けるスパイラルホローについての説明を少しさせていただきます。
2006年にフルホローの一種で螺旋ホローなる形状を考案し、後に5角にも取り入れました。
これは接着前に竹片を開いた状態です。ちょっと分かりづらいですが、5片の内右の3片が接着した時と同じように重なった様子です。ご覧のように沢山削り取るフルホローとは違い、シャフトの中を細長く螺旋状に空間を作っています。ダム式のセミホローより削る量は少ないのです。ですからこの螺旋(スパイラル)ホローはそんなに軽く仕上がりません。最も初期の6角ロッドではかなり軽く作ったのですが、5角に取り入れるにあたりトルク感を重視して、削り過ぎないように注意しました。そうすることで独特の硬質感といでも言いますか、少し軽くすることで竿全体に張りが出てトルクフル、ちょっと文章では表現しにくい感覚になります。ただ隙間が小さいので接着剤が少しでも多すぎると埋まってしまったり、内部にハミ出て固まった接着剤から異音が出たり、なかなか難しいものがあります。セッティングタイムの長いエポキシをごく薄く丁寧に塗りこむのが今のところ良いようです。