2012年6月13日水曜日

フェルール

ツーピースショートロッドのフェルール出来上がりました。フェルールの擦り合わせは不思議なもので、ブランクに取り付けていない状態でいくら程好く擦り合わせても、ブランクに取り付けて、そしてそれから2-3日経った後、それぞれ状態が変わります。何故か理由はよく分かりませんが確かに変わります。
出荷の前夜に何度も何度も抜き差しして確認し調整します。緩くなってしまうとアウトですので、ものすごく神経を使います。
この時点ではロウなどの油脂は使いません。何度か抜き差しするだけでメスの内部が汚れてきますので、無水アルコールを綿棒にしみこませて、綺麗に拭き取りながら行います。

バンブーロッドの付き合い方で一番難しいのがフェルールだろうと思います。今丁度良い具合なら何もしない方が良いと思います。たとえ錆が出ていてもそれで丁度良いならOK。迂闊に錆を取ってしまうとスポスポになります。キツい場合はまずメスの内部を綺麗にする、オスも綺麗にする、そしてジワッと差し込んでみる、その時無理は禁物です。途中で止まるならロウなどのワックスを塗って差し込んでみます。それでも入らなければ調整に出したほうが良いでしょう。中途半端に差し込んでキャスト中に抜けたりするとメスが膨らんでしまい元に戻りません。

逆に緩い場合はフェルールを取り替えることになりますが、それ程緩くない時はしょっちゅう抜き差しせず、そのまま放置するという奥の手があります。表面を少しだけ酸化させるのですね。

フェルールはいろいろ厄介ではありますが、うまく付き合ってあげて欲しいものです。1匹釣ったらフェルールの差し込み具合、曲がりなど時々見てあげてください。